低容量ピル (Oral Contraceptives OC)
※当院では喫煙者並びに高血圧のかたは血栓リスク考慮しピル処方出来ませんのでご注意願います。
1999年9月低用量ピルが日本国内で販売開始になりました。避妊効果、月経周期の安定、月経痛緩和、抗男性H作用による肌安定、内膜症・卵巣がん・子宮体がん抑止作用等様々な効果により当院でも処方推奨しております。副作用は開始後にむくみや嘔気もございますが飲み続けていただくうちに早期に改善する場合が多いです。新しい月経困難症保険治療薬の副作用軽減効果も臨床現場でも実感いたします。避妊効果は飲み忘れがなければ失敗率は0.1%と極めて低率です。OCはエストロゲンとプロゲストーゲンの合剤です。OCに含まれるエストロゲンはエチニルエストラジオールです。これは17βエストラジオールの誘導体で17位をエステル化して経口投与しております。プロゲストーゲンは大きく3つに種類が分類されております。第1~3世代と呼ばれています。第1世代のノルエチステロンは標準的なプロゲストーゲン剤です。体内でエストロゲンに変換され弱い作用を起こしますが、多くが男性ホルモン作用のほうがやや強く現れる特徴が言われています。第2世代のレボノルゲストレルは現在良く使用されています。エストロゲンに変換されず、第1世代のノルエチステロンと比較して男性ホルモン作用もありますが、子宮内膜活性効果が強くなり、少量で効果発揮できます。また第3世代のデソゲストレルはプロゲステロンレセプターとの結合を高められているため、子宮内膜活性効果が強くなる反面、アンドロゲンレセプターとの結合低下させ、脂質代謝にもいい影響が指摘されています。OCの副作用として重要なのはエストロゲンが凝固能亢進をもたらすことによる血栓症です。喫煙と高血圧、加齢(35歳以上)は凝固血栓梗塞効果をさらに増大いたしますので、いい機会と思いますので禁煙トライしていただくことお勧めしております。
2011年8月に第3世代マーベロンのジェネリック薬であるファボワール、2012年6月に第2世代トリキュラーのジェネリック薬であるラベルフィーユが販売されました。
2017年4月21日より子宮内膜症に伴う疼痛・月経困難治療薬 ヤーズフレックス配合錠(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠)販売開始しました。日本初連続投与が認可されました。月経回数を減少し日常生活のQOL向上を期待できます。ご検討願います。
2018年12月14日より月経困難症治療薬、超低容量ピルジェネリック フリウエルULD錠が販売開始しました。ルナベルULDと全く同じオーソライズド・ジェネリック(AG)あすか製薬剤となります。第1世代低容量ピルですが、第4世代ヤーズ配合錠と同じ最少エストロゲンパッケージであり国内初ジェネリック剤となります。是非ご利用ください。